日本頭痛学会

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おしらせ

要点: simple analgesicsの訳を「単一の鎮痛薬」でなく「単一成分の鎮痛薬」と改定する

 

解説: 8.2「薬物乱用頭痛(MOH)」については2005年に改正版が発表されました
(Cephalalgia 25:460-465, 2005).
その概要は日本頭痛学会のホームページで閲覧可能ですし,次号の日本頭痛学会誌に掲載予定です.訳に当たっては,これまでsimple analgesics を「単一の鎮痛薬」と訳してきました.
しかし市販薬の多くは複合薬です.一種類の製品のみを使用している場合に「単一の鎮痛薬」を
服用していると誤解されるおそれがあります.その誤解を解くために「単一の鎮痛薬」を「単一成分の鎮痛薬」と訳出するのが適当と判断しました.2006年4月1日以後このような訳しを正式に採用させていただきますことを会員各位にお知らせいたします.

2006年3月28日

 

 

新国際分類普及委員会
   間中信也(委員長),五十嵐久佳(薬物乱用頭痛担当)

  この訳の改定に伴い,新しい8.2「薬物乱用頭痛(MOH)」の診断基準の要点は下記のようになります.

 

  ■8.2薬物乱用頭痛(MOH)診断基準
    A. 頭痛は1ヵ月に15日以上存在し,CおよびDを満たす
     B. 頭痛の急性治療および対症療法(あるいはその両方)のために使用された1つ以上の
      薬物を3ヵ月を超えて定期的に乱用している
    C. 頭痛は薬物乱用のある間に出現もしくは著明に悪化する
     D. 乱用薬物の使用中止後,2ヵ月に以内に頭痛が消失,または以前のパターンにもどる

   8.2.1 エルゴタミン乱用頭痛
     A. 8.2 薬物乱用頭痛の診断基準項目A,C,およびDを満たす
     B. 3ヵ月を超えて,定期的に1ヵ月に10日以上エルゴタミンを摂取している

   8.2.2 トリプタン乱用頭痛
     A. 8.2 薬物乱用頭痛の診断基準項目A,C,およびDを満たす
     B. 3ヵ月を超えて,定期的に1ヵ月に10日以上トリプタンを摂取している(剤形問わない)

   8.2.3 鎮痛薬乱用頭痛
     A. 8.2 薬物乱用頭痛の診断基準項目A,C,およびDを満たす
     B. 3ヵ月を超えて,定期的に1ヵ月に15日以上単一成分の鎮痛薬を服用している

   8.2.5 複合薬物乱用頭痛
     A. 8.2 薬物乱用頭痛の診断基準項目A,C,およびDを満たす
     B. 3ヵ月を超える期間,定期的に1ヵ月に10日以上複合薬物を摂取している