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産業医,脳ドック医は頭痛にどう対処すれば良いか

 

推奨
産業医,脳ドック医は頭痛を有する社員や健診者の頭痛医療に積極的に関与する
推奨のグレード
   A
 

 

背景・目的

職場や脳ドックにおける一次性頭痛を有する受診者の頻度と現状を検索し,頭痛医療における産業医,脳ドック医の役割を検討する.


解説・エビデンス

職場調査における一次性頭痛の有病率は片頭痛 13.2%( 男性 11.6% ,女性 26.6%) ,反復発作性緊張型頭痛 29.15 % ( 男性 27.6% ,女性 41.3%) ,慢性緊張型頭痛 0.9%( 男性 0.8% ,女性 1.3%) であった.多数の片頭痛罹患者 (84.3%) が仕事の能率が低下すること訴えていたが,医療機関への受診率は 23.7% と低かった 1)
脳ドック受診者を対象にした研究では,片頭痛の有病率は 10.2%( 男性 6.1% ,女性 19.4%) であった.重症度は軽症例 (75.4%) が多く,医療機関の受診率も 15.1% で低率であった.病型別での受診率は前兆のない片頭痛 9.8% ,前兆のある片頭痛 48.0% であった.片頭痛を有する健診者の脳ドック所見は,脳動脈瘤 (1.1%) と脳動静脈奇形 (0.6%) が認められた 2)
職場や脳ドックでは,他の疫学調査 3)4) の片頭痛有病率を上回る1割以上の片頭痛罹患者が存在するにも関わらず,適切な頭痛医療が行われていないことが確認された.

 

参考文献のリスト

1) 五十嵐久佳,坂井文彦:職場における片頭痛の実体調査.厚生労働科学研究費
  補助金こころの健康科学研究事業「慢性頭痛の診療ガイドライン作成に関する研
  究」平成 15 年度総括・分担研究報告書. p88-91.
2) Ikeda K, Kashihara H, Hosozawa K, Anan K, Shimomura M, Tamura M, Iwasaki Y,
  Sakai F.
Brain check-up-based study of migraine in Japan. Headache Care 2005;
  2: 75-80.
3) Sakai F, Igarashi H. Prevalence of migraine in Japan : a nationwide survey.
  Cephalalgia 1997; 17: 15 -22.
4) Takeshima T, Ishizaki K, Fukuhara Y, et al. Population-based door-to-door survey
  of migraine in Japan : the Daisen study. Headache 2004; 44: 8-19.

 

検索式・参考にした
二次資料

・検索 DB : PubMed (05/03/01)
Headache
& {Epidemiology} 3263
& {Migraine} 785
& {Japan} 7

 

備考
参考文献のリスト作成は,産業医と脳ドックにおける片頭痛の有病率は, 厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業「慢性頭痛の診療ガイドライン作成に関する研究」平成 15 年度総括・分担研究報告書を引用した. 本邦における片頭痛の有病率に関して PubMed を用いて Headache, Epidemiology, Migraine, Japan で入力検索した.