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片頭痛の病態はどのように理解されているのか

 

推奨
(現時点での見解)片頭痛の病態生理は未だに確定的な機序は示されていないが,現在までに提唱されているものの中で,三叉神経を中心とした神経血管に関するものや,脳幹部の異常とするものに加え,これに神経ペプチドが重要な役割を果たしているということは間違いないようである.とりわけ,セロトニンやその受容体,特に脳血管に多く分布する 5-HT 1B/1D 受容体に関連したものや血管拡張性物質である calcitonin gene-related peptide(CGRP) が密接に関与している可能性が強い
推奨のグレード
  A

 

背景・目的

現在までにおいてヒトや実験的モデルにおいても片頭痛の病態生理は未だに科学的根拠を持ったものは存在しないために様々な仮説が提唱されている.科学的根拠による片頭痛の病態生理メカニズムを明確にするための研究が精力的に行われている.


解説・エビデンス

片頭痛の病態生理は未だに確定していない.しかし,現在までに提唱されているものの中で,三叉神経を中心とした神経血管に関する説や,脳幹部の異常とする説と,これらに加えて神経ペプチドが関与しているということは間違いないようである.中でもセロトニンやその受容体,特に脳血管に多く分布する 5-HT1B/1D 受容体に関連したものや血管拡張性物質である CGRP が関連しているとの報告が多数見受けられる.
しかし,いずれの報告もヒトと動物実験の報告が混在しており,全ての仮説が説明できるような科学的根拠のある病態生理の統一された機序が必要である.しかも動物実験では明らかにできない現象も多く,今後さらにヒトにおける治見を集積して,より科学的な根拠とすべきであろう.したがって,関連する総説的な論文を代表としてあげた. 1)-5)

 

参考文献のリスト

1) Hargreaves RJ, Shepheard SL.: Pathophysiology of migraine--new insights.
  Can J Neurol Sci. 1999 Nov;26 Suppl 3:S12-9.
2) Edvinsson L.: Pathophysiology of primary headaches. Curr Pain Headache Rep.
  2001 Feb;5(1):71-8.
3) Welch KM .: Contemporary concepts of migraine pathogenesis. Neurology. 2003
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4) Spierings EL.: Pathogenesis of the migraine attack. Clin J Pain. 2003 Jul-
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5) Edvinsson L.: Aspects on the pathophysiology of migraine and cluster headache.
  Pharmacol Toxicol. 2001 Aug;89(2):65-73.

検索式・参考にした
二次資料

Migraine
& {pathophysiology} 3894
& {review} 1032