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片頭痛にセロトニンの異常はどう関与するのか |
推奨 |
(現段階の見解)片頭痛病態における血小板中のセロトニンの異常が明らかにされた.しかしながら,その後血漿中あるいは通常の血液中などの検査所見では一定の見解を得るにはいたらず,それ以後この点に関しての報告は少ない.それに変わり,セロトニン受容体と片頭痛の病態との関連の報告が多くなされている.特に5 -HT 1B/1D 受容体は脳内に多く分布しており,また,近年のトリプタン系薬剤(5 -HT 1B/1D 受容体作動薬)の開発によりセロトニン受容体との関連が重要視されている |
推奨のグレード |
A |
背景・目的 |
片頭痛の病態におけるセロトニンの異常は 1960 年代を中心として論議されている 1) .セロトニンの大半は血小板中に存在し,片頭痛発作時に大量に血小板よりセロトニンが放出されるという報告 2) や セロトニンを静脈注射すると片頭痛発作が誘発されるなどの報告が散見される 3) 4) .しかしながら,その後一定の見解を得るにはいたらず,それ以後現在までこの点に関してのヒトの報告は少ない.それに変わり,セロトニン受容体と片頭痛の病態との関連の報告が多くなされるようになってきた.特に5 -HT 1B/1D 受容体は脳内に多く分布しており,また,近年のトリプタン系薬剤(5 -HT 1B/1D 受容体作動薬)の開発によりセロトニン受容体との関連が重要視されるようになってきている 5)-7) .
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解説・エビデンス |
セロトニンと片頭痛の関係は古く( 1960 年代)より提唱されており,そのほとんどが総説である.現在未だに片頭痛患者(発作期,間欠期)におけるセロトニン動態(血中や血小板中)について統一された機序が示されていない.また,セロトニン受容体のうちトリプタン系薬剤が片頭痛発作に著効することから 5-HT 1B/1D 受容体が片頭痛発作に重要な役割を果たしていることは間違いないが,単純にトリプタン系薬剤が血管収縮させることだけで症状が改善するとは考えがたく.トリプタン系の他の作用機序も検討する必要がある.また,セロトニン動態だけでは,片頭痛発作を説明するには十分でない. |
参考文献のリスト |
1) Anthony M, Hinterberger H, Lance JW.: Plasma serotonin in migraine and stress. |
検索式・参考にした |
Migraine |