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片頭痛治療にはどのようなものがあるか |
推奨 |
片頭痛治療 1. 薬物療法 1)急性期治療:特異的治療(トリプタン,エルゴタミン)非特異的治療(鎮痛薬, 制吐薬) 2)予防療法:カルシウム拮抗薬, β 遮断薬,抗うつ薬,抗てんかん薬,ボトックス ,アンギオテンシン変換酵素阻害薬,アンギオテンシン ㈼受容体阻害薬, 漢方薬など 2.非薬物療法:バイオフィードバック,鍼治療,頭痛体操,マッサージ,食事療法など 3. 誘発因子の検索と除去 4. 患者教育 • 片頭痛に対する知識 • 片頭痛と他の頭痛の鑑別 • 治療薬の効果と副作用 • 急性期治療薬の適正使用(使用のタイミング,使用量,使用頻度) • 予防療法の必要性,効果発現までにかかる時間 • 発作中の注意(静かな暗い場所で休む,痛む箇所を冷やすなど) • 妊娠の有無の確認 頭痛の記録(ダイアリー |
推奨のグレード |
A |
背景・目的 |
片頭痛はありふれた疾患であり, 15 歳以上の日本人の片頭痛有病率は 8.4 %である.長年にわたり発作を繰り返すのが特徴で,中等度〜重度の痛みが4〜72時間持続する.日常生活動作で痛みが増強し,悪心・嘔吐,光・音過敏を伴うため,生活に支障をきたすことが多い.また 20 〜 40 歳代の就業年齢層に多いため,社会経済学的にも影響を与える.片頭痛は完治させることは困難であるが,適切な治療により発作頻度を減少させ,また発作そのものを頓挫・軽減させることにより,患者の機能を回復し,生活の質を高めることが可能である.正確な診断のもとに,患者個人のニーズに合わせた治療法を組み立てていく必要がある.
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解説・エビデンス |
頭痛治療のためのガイドラインは各国で刊行されているが 1-10) 本邦では 2002 年に日本神経学会から慢性頭痛治療ガイドラインが公表された 11) .片頭痛治療の主体となるのは薬物療法である.薬物療法には急性期治療と予防療法があり,患者の片頭痛の頻度,重症度,支障度,随伴症状,病型,合併する疾患の有無,妊娠の有無,患者自身の希望,経済性など種々の因子を検討し,おのおのの患者に適した薬剤を選択する.経験的に片頭痛には様々な誘発因子が知られており,エビデンスは少ないものの,これらのうちで患者自身が誘発因子として認識し,避けうるものは除くことも片頭痛発作頻度の減少につながる.非薬物療法についてはエビデンスが少なく,今後の検討が必要である.患者教育はエビデンスは少ないが適切な片頭痛治療を行なううえで重要な項目である.
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参考文献のリスト |
1) AAN guideline summary for clinicians Migraine headache .
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検索式・参考にした |
04/12/02 migraine & manegement 792 migraine & treatment 8303 migraine & {management OR treatment”} 8434 migraine & {management OR treatment} & {strategy OR guideline} 172 |