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NSAIDs は片頭痛治療に有効か |
推奨 |
非ステロイド系消炎鎮痛薬( NSAIDs )は片頭痛の痛み,随伴症状を有意に改善させる.安全性も高く安価であることから,軽度〜中等度の頭痛の第一選択薬となる.発作の出来る限り早期の投与が推奨される |
推奨のグレード |
B |
背景・目的 |
非ステロイド系消炎鎮痛薬( NSAIDs )は処方薬,市販薬のいずれにも多用されている.様々な NSAIDs のなかから,片頭痛急性期治療薬として本邦で使用可能で,治療効果の高い薬剤を選択していく.
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解説・エビデンス |
イブプロフェン( 200-400mg )はプラセボとの RCT で,服用2時間後の頭痛改善率は 40 〜 70 %と報告されている 1-2) .ナプロキセン (750mg) はプラセボと比べ2時間後の頭痛改善率が有意に高く3) 4) ,エルゴタミン配合薬との比較では,痛み,悪心の改善が優れていた 5) .エルゴタミン配合薬はナプロキセン( 825mg )に比し嘔吐,レスキュー薬使用,副作用が多くみられた.ジクロフェナク (50mg) はプラセボと比較し,2時間後の頭痛の程度を有意に改善し 6) ,ジクロフェナクソフトゲル単味と,カフェインを加えたものとの比較では,片頭痛改善効果はカフェインを加えた場合に増加することが報告されている 7) .ジクロフェナクK( 50mg,100mg )とスマトリプタン 100mg ,プラセボとの比較では,ジクロフェナク 50mg と 100mg の効果は頭痛改善効果は同等であり,悪心改善効果はスマトリプタンより優れていたとの報告がある 8) .ケトプロフェン( 75mg , 150mg )とプラセボ,ゾルミトリプタン 2.5mg の比較では,ケトプロフェンはゾルミトリプタンとほぼ同等の効果を示している 9) .トルフェナム酸( 200mg )は単味投与でもプラセボに比し頭痛改善効果は高いが,メトクロプラミドを組み合わせた場合に効果がより高まった 10) . NSAIDs 共通の副作用として消化器症状がみられることがあるが,今後, cox2 も片頭痛治療薬として期待される.
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参考文献のリスト |
1) Codispoti JR, Prior MJ, Fu M, Harte CM, Nelson EB. Efficacy of nonprescription
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検索式・参考にした |
2004/12/1 1. migraine & NSAIDs 725 2. 1 & “acute treatment” 56 3. & “randomized controlled trial” 28 |