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抗うつ薬(アミトリプチリン)は片頭痛の予防に有効か |
推奨 |
アミトリプチリンは片頭痛の予防に有用である.低用量( 10〜20mg/日,就寝前)から開始し,効果を確認しながら漸増し10〜60mg/日の投与が推奨される |
推奨のグレード |
A |
背景・目的 |
慢性頭痛患者は抑うつ状態を併発することがあるが,抗うつ薬の使用により抑うつ状態ばかりでなく頭痛も軽減することが知られており,抑うつ状態にない片頭痛患者においても有用であると考えられている.多くの抗うつ薬は,中枢神経系の神経細胞外のセロトニンやノルエピネフリンの濃度を高めることにより,抗うつ作用を発揮すると考えられている.抗うつ薬の抗片頭痛作用のメカニズムは不明であるが,片頭痛の病態にセロトニンなどの神経伝達物質の関与が示唆されており,古くから各国で使用されている.
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解説・エビデンス |
三環系抗うつ薬,アミトリプチリンが最もよく検討されており,また,実際に最も広く使用されている.アミトリプチリンには 3件のプラセボを対照としたRCT 1)-4) が行われている.頭痛インデックスおよび片頭痛発作頻度を指標として, 50-150 mg/ 日 を 8 週 4) , 50-100 mg/日を4 週 2) , 30-60 mg/ 日 を 27 週 3) の用量と投与期間で一貫した効果が報告されており,メタアナリシス 5) でも有用性が示されている. |
参考文献のリスト |
1) Couch JR, Hassanein RS. Amitriptyline in migraine prophylaxis. Arch Neurol
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検索式・参考にした |
{migraine} OR {vascular headache} OR {hemicrania} |