Ⅱ-3- 6 |
Ca 拮抗薬(塩酸ロメリジン)は片頭痛の予防に有効か |
9) 後藤文男 (慶応義塾大学 神経内科), 田代邦雄, 沓沢尚之, 他. KB-2796( 塩酸ロメリジン ) の片頭痛に対する臨床評価 後期第 II 相臨床試験 . 臨床評価 (0300-3051)23巻1号 Page13-37(1995.06) |
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文献 PubMed - ID |
医中誌 1996019434 |
エビデンスレベル |
Ib |
目的 |
片頭痛患者における塩酸ロメリジンの頭痛予防効果の検討. |
研究デザイン |
ランダム化プラセボ二重盲検 |
研究施設 |
全国 53 施設 |
研究期間 |
H2 年 9 月~ H4 年 4 月 |
対象患者 |
月2回以上発作を有する片頭痛患者 146例 |
介入 |
KB-2796 の 20mg/ 日 (KBH) 群 ,10mg/ 日 (KBL) 群及びプラセボ (P) 群の二重盲検法 |
主要評価項目とそれに用いた統計学的手法 |
頭痛発作の重症度, 頭痛の改善度,全般改善度,安全度,有用度を臨床評価 統計:ノンパラメトリック検定(χ二乗検定, U-検定) |
結果 |
1) 最終全般症善度の「改善以上」の改善率は KBH 群 67%, KBL 群 64%, P 群 33% であり , 実薬群は P 群と比較して有意に優れていたが , 実薬両群間での有意差はなかった . 2) 安全度では「全く副作用なし」は KBH 群 89%, KBL 群 93%, P 群 89% で 3 群間に有意差はなかった . 3) 有用度では「有用以上」の有用率は KBH 群 71%, KBL 群 62%, P 群 36% で , 実薬群は P 群と比べて有意に優れていたが , 実薬両群間での有意差はなかった . |
結論 |
KB-2796 20mg/ 日及び 10mg/ 日は片頭痛治療薬として有用な薬剤であることが明確となり , 至適臨床用量は 10mg/ 日と判断された |
コメント |
本邦で実施された他施設の RCT. 評価基準が本邦独特の改善度などが使用されているが,本邦における主要な頭痛診療施設におえける検討であり,信頼できる試験である. |
作成者 |
福原葉子 /竹島多賀夫 |
10) Solomon GD, Steel JG, Spaccavento LJ. Verapamil prophylaxis of migraine. A double-blind, placebo-controlled study. JAMA. 1983; 250:2500-2502 |
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論文抄録 |
We undertook a double-blind, placebo-controlled study to determine the effectiveness of verapamil hydrochloride for the prophylaxis of migraine. Twelve patients were given either verapamil hydrochloride, 80 mg four times daily, or placebo in random order during two consecutive three-month periods. Migraine frequency, severity, and duration were quantified by daily logs and monthly questionnaires. Ten of the 12 patients had fewer migraines during verapamil therapy. Migraine frequency decreased from 6.7 to 3.8 migraines per patient per month, for a mean decrease of 49%. Headache unit index fell from an average of 0.61 to 0.44. We conclude that verapamil is effective in the prophylaxis of migraine and that verapamil might be considered one alternative in the development of a regimen for the prophylaxis of migraine |
文献 PubMed-ID |
PM:6355533 |
エビデンスレベル |
Ib |
文献タイトル (日本語) |
ベラパミルによる片頭痛の予防: 二重盲検プラシーボ対照試験 |
目的 |
片頭痛予防における塩酸ベラパミルの効果を検討する |
研究デザイン |
二重盲検プラシーボ対照試験 |
研究施設 |
Departmenet of Internal Medicine , US Air Force Medical Center , Ohio , USA Dpt. Int Med & Neurology, Wright-State University School of Medicine, Dayton Ohaio |
研究期間 |
記載なし |
対象患者 |
12例,片頭痛患者 |
介入 |
塩酸ベラパミル 80mg又はプラセボ,1日4回投与.3ヶ月投与後クロスクロスオーバー. |
主要評価項目とそれに用いた統計学的手法 |
日記と毎月の質問紙により片頭痛頻度、重症度と持続時間を定量評価 |
結果 |
12人例中10例でベラパミル治療期間には片頭痛発作が少なかった 、片頭痛頻度は、月に 6.7回から3.8回に減少し,平均49%の減少であった. 頭痛単位インデックス( Headache unit inde)は、平均0.61から0.44に減少した. |
結論 |
ベラパミルは片頭痛の予防に効果的である.ベラパミルが片頭痛予防療法開発のなかで, 1つの選択肢となりうるかもしれない. |
コメント |
少数例であるが,日記をもちいた詳細な評価がなされた盲検試験である. |
備考 |
JAMA2502500.pdf |
作成者 |
竹島多賀夫 |