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緊張型頭痛はどのように診断するか |
推奨 |
緊張型頭痛は,国際頭痛分類第 2 版
( ICHD -II )の診断基準に準拠して診断する |
推奨のグレード |
A |
背景・目的 |
診断基準には診断,治療についてあらゆる側面から科学的かつ実際的に検討されたものである必要性がある.他の疾患と同様にこのような必要条件をみたす診断基準に基づいて緊張型頭痛を診断する必要がある.ここでは,緊張型頭痛の診断のポイントと, ICHD-II に示された診断基準を示す.
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解説・エビデンス |
以下に緊張型頭痛の診断基準(日本語版)を示す. 各緊張型頭痛は主にその発症頻度で診断される( A 項).そして以下の項目をみたすものである. B. 頭痛は 30 分〜 7 日間持続する C. 頭痛は以下の特徴の少なくとも 2 項目を満たす 1. 両側性 2. 性状は圧迫感または締め付け感 ( 非拍動性 ) 3. 強さは軽度〜中等度 4. 歩行や階段の昇降のような日常的な動作により増悪しない D. 以下の両方を満たす 1. 悪心や嘔吐はない ( 食欲不振を伴うことはある ) 2. 光過敏や音過敏はあってもどちらか一方のみ E. その他の疾患によらない 2.1 稀発反復性緊張型頭痛は, 1 ヵ月に 1 日未満 ( 年間 12 日未満 ) の頻度で生じる頭痛 2.2 頻発反復性緊張型頭痛は, 1 ヵ月に 1 日以上, 15 日未満(年間 12 日以上 180 日未満)の頻度生じる頭痛 2.3 慢性緊張型頭痛は, 1 ヵ月に 15 日以上 ( 年間 180 日以上 ) の頻度生じる頭痛 2.4 緊張型頭痛の疑いは,緊張型頭痛の診断基準をひとつだけみたさず,かつ片頭痛でないものである. 一般臨床家からの意見では片頭痛と緊張型頭痛は重症度や悪心・嘔吐,光・音過敏の有無などからは鑑別できない場合がしばしばあり,緊張型頭痛と片頭痛の移行型あるいは中間型とも考えられる頭痛の存在が問題となる 1) 2) .これらの論議に加え,古くから問題となっている筋緊張とこの分類の頭痛の問題がいまだ解決されていない点も問題という意見も散見される( Q02_04 参照).また, ICHD-I 3) の緊張型頭痛の基準では陰性所見が多く採用されているため,それ以外の頭痛も拾ってしまうという問題点も提起されてきた. |
参考文献のリスト |
1) Featherstone, H.J.: Migraine and muscle contraction headaches: a continuum
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検索式・参考にした |
PubMed 検索: 2004/11/25 tension type headache 1155 & diagnosis 635 |