Ⅷ-2 |
群発頭痛は遺伝するか |
推奨 |
群発頭痛は有意に家族内発症例が多く,遺伝因子が関与する可能性は高い.環境因子の存在や遺伝的異質性のため,原因遺伝子や疾患感受性遺伝子の同定までには至っていない |
推奨のグレード |
B |
背景・目的 |
群発頭痛における遺伝因子はあまり注目されてこなかったが,患者家族歴の調査や双子症例の報告などから遺伝因子の存在が示唆されるに至っている.
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解説・エビデンス |
群発頭痛の分離解析によれば,発症の一部には浸透率の低い常染色体優性遺伝因子が関与する可能性が示唆されている.また,群発頭痛患者の約 5% に家族歴が認められているが,これは一般集団における罹患率より高く,遺伝因子の存在が示唆されている.デンマーク,米国,イタリア,フランスにおいて行われた遺伝疫学的調査によれば,群発頭痛患者の第一度近親者が同疾患にかかる割合は,一般集団より有意に高く,人口相対危険度( population relative risk )は 4.7 ~ 17.6 倍と報告されている.一方,双子で共に群発頭痛に罹患したという症例報告は複数あるが,スウェーデンにおける疾患一致率の検討では一卵性 2 組と二卵性 9 組において疾患の有無に関して不一致であり,環境因子の存在も示唆されている. CYP2D6, CACNA1A, NOS1, NOS2A, NOS3, HCRTR1, HCRTR2 遺伝子上の多型との関連解析があり, HCRTR2 の多型と関連があるとする報告もあるが,現時点では確立したものではない.
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参考文献のリスト |
1)Russell MB, Andersson PG, Thomsen LL, Iselius L. Cluster headache is an
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検索式・参考にした |
検索式: 最終検索日 05/03/01 |