日本医療政策機構(HGPI)「片頭痛対策に関する政策提言」のご紹介

2026年6月9日、日本医療政策機構(Health and Global Policy Institute: HGPI)より、政策 提言「片頭痛対策に関する政策提言〜生活者のためのイノベーション普及に向けて 〜」が公表されました。このたび、日本語概要版、英語版および英語概要版が新たに 公開されたことから、改めてご紹介いたします。

日本医療政策機構(HGPI)は、2004年に設立された非営利・独立・超党派の民間の医 療政策シンクタンクであり、市民主体の医療政策の実現を目指し、幅広いステークホ ルダーの意見をもとに政策提言を行っています。

近年、片頭痛治療は大きく進歩する一方、適切な診断や治療へのアクセス、学校や職 場における理解と支援、専門的な頭痛診療を支える医療提供体制、治療に伴う経済的 負担など、なお多くの課題が残されています。

今回の提言では、こうした片頭痛を取り巻く課題について、患者、医療者、医療制度 それぞれの事情が重なって形成される「クリニカル・イナーシャ(臨床的惰性)」と いう構造にも着目し、疾患啓発にとどまらず、教育、医療提供体制、診療報酬、職場 環境、患者・市民参画、治療アクセス、行政体制などを横断した取り組みの必要性が 示されています。

本提言は、片頭痛専門医へのヒアリング、医師・患者を対象とした調査、国際的な文 献レビューなどをもとにまとめられており、具体的には次の8項目が提言されています。

  1. 社会全体への普及啓発の推進と疾患認知度の向上
  2. 学校教育における片頭痛・頭痛教育の制度化
  3. プライマリケアから専門医への体系的紹介体制の整備
  4. 診療報酬体系の見直しによる専門的頭痛診療の適切な評価
  5. 企業(事業主・保険者)における片頭痛対策の健康経営施策への組み込み強化
  6. 患者・市民参画を基盤とした片頭痛政策への転換
  7. 新規治療薬へのアクセス改善と経済的障壁の軽減
  8. 行政における片頭痛対策推進体制の整備と法的根拠の確立

本提言の特徴は、片頭痛を医療機関の中だけで完結する問題としてではなく、学校、 職場、医療、行政などにまたがる幅広い社会的・政策的課題として捉えている点にあ ります。

学校における頭痛教育、プライマリケアと専門診療との連携、専門的な頭痛診療の評 価、職場における理解と支援、患者・市民参画、新たな治療へのアクセスなど、片頭 痛を取り巻くさまざまな課題が包括的に整理され、具体的な政策提言として示されて います。

片頭痛診療に関わる医療者にとっても、今後の診療や社会的な支援のあり方を考える うえで重要な内容が含まれています。ぜひご覧ください。

提言書の全文、日本語概要版、英語版および英語概要版は、日本医療政策機構のウェ ブサイトよりご覧いただけます。

日本語:
https://hgpi.org/research/migraine-20260609.html

英語:
https://hgpi.org/en/research/migraine-20260609.html