平成15年11月~平成17年6月までの診療向上委員会の活動と頭痛診療に関連した保険診療の動きを学会会員の皆様に
報告申し上げます.
1. 診療向上委員会の設置
平成15年11月に委員会設置.委員会委員として以下が理事長より任命された.
山根清美(委員長),荒木信夫,大生定義,北見公一,竹島多賀夫,寺本純,根来清
2. 内保連(内科系保険団体連合会)の動き(頭痛学会は内保連に加入しています)
・ 平成16年の診療報酬改定は±0%であった.
・ 平成18年4月の改定は医療・介護保険,両者の改定時期にあたり,大幅な改定が予想される.
・ 外来は出来高で推移するが,入院は包括という傾向がさらに進む.
・ 包括医療についてはDPCが,特定機能病院以外の病院にも適応が拡大する.
・ 診療報酬改正(引き上げ・薬剤の適応拡大など)の要望の締め切りは平成17年6月までに,
所定の書式に沿って要望書を作成する.
・ 頭痛学会の診療報酬改訂の要望については頭痛学会独自のものと,一部は神経関連委員会
(神経学会,頭痛学会,神経治療学会等.渋谷統寿委員長)として合同して要望するという手順をとる.
・ 神経関連委員会(神経学会・治療学会・頭痛学会など)としての合同要望事項の主なものは
以下の4項目です.
① 医療技術(ドクターフィー)につき,神経疾患外来診察料,特に初診に関しての診療報酬の確立.
神経疾患は多様であることから神経疾患診察の難易度,時間,技術力の評価に関する
エキスパートパネル(時間と総合負荷の関係)における神経内科部門の調査報告を
初診料の引き上げという形で示していただきたい.
② 医療技術料(診察料)とは別に,各種の指導料が算定できるように要望する.
③ 生体検査(穿刺検査や生理検査など)の技術料(検査料)と判断料(診断料)の引き上げを要望する.
④ 必要性の高い在宅注射(片頭痛・群発頭痛に対するスマトリプタン皮下注)の保険適用など
3.頭痛学会より内保連へ希望書を行った事項の結果(平成16年4月診療報酬改定時)
① 塩酸ロメリジンの製剤の保険点数見直しがなされ,要望が通りました.
製造している日本オルガノンより不採算を理由に市場からの撤退を頭痛学会に希望し,
頭痛診療に支障が生じるため要望した.その結果,以前の薬価,1錠23.10円の5割引き上げ
が認められ,16年4月より薬価が引き上げられました.市場規模は約4.2億円(ミグシス:2.5億円,
テラナス:約 1.7億円)より6.3 億円に増大と見込まれます.
② スマトリプタン皮下注の在宅指導料は要望が認められませんでした.
4..頭痛学会から平成18年4月の診療報酬改定時の要望事項として内保連に提出したものは
以下の6項目です.
① 慢性頭痛の指導管理料(てんかん指導や難病指導と同様に月に1回算定 )
② スマトリプタン皮下注の在宅指導料(継続要望事項,神経関連委員会として合同提出)
③ 群発頭痛治療のための酸素吸入療法並びに在宅酸素療法の保険適応
④ アミトリプチリンの保険適応拡大(重症片頭痛に対する保険適応)
⑤ ベラパミルの保険適応拡大(群発頭痛および重症片頭痛の治療)
⑥ バルプロ酸の保険適応拡大(片頭痛,群発頭痛の治療)
(文責:診療向上委員会委員長 山根清美)
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