片頭痛予防療法に関するアンケート集計結果

アンケート対象:日本頭痛学会頭痛専門医
アンケート実施時期:2010年8月19日~31日
アンケート有効回答数:242

【1】所属についてご記入ください。

◎医療機関

  件数 割合
病院 168 69.4%
診療所 74 30.6%

◎診療科

  件数 割合
神経内科 126 52.1%
脳神経外科 90 37.2%
内科(総合内科) 5 2.1%
麻酔科・ペインクリニック 8 3.3%
精神科・心療内科 4 1.7%
頭痛外来 3 1.2%
救急科 2 0.8%
小児科 2 0.8%
リハビリテーション科 1 0.4%
産婦人科 1 0.4%

【2】治療している片頭痛患者数についてご記入ください。

◎総患者数(人/年)

  件数 割合
1000人以上 29 12.0%
500人以上1000人未満 13 5.4%
100人以上500人未満 88 36.5%
50人以上100人未満 45 18.7%
50人未満 66 27.4%

【3】予防療法を考慮する症状、患者背景などの基準がありましたらご記入ください。

回答件数の多いもの
内容 件数 割合
発作頻度が多い 118 48.8%
頭痛の程度が強い 32 13.2%
薬物乱用頭痛(またはその傾向がある) 27 11.2%
日常生活に支障がある 25 10.3%
急性期治療薬の使用頻度が多い  24 9.9%
急性期治療薬の効果がない 21 8.7%
共存症がある 19 7.9%
頭痛日数が多い 10 4.1%
月経に関連している 9 3.7%
急性期治療薬が使用できない 9 3.7%
不安、神経質などの心因的要因がある 8 3.3%
抑うつ病(またはその傾向がある) 8 3.3%
基準とする発作頻度
内容 件数 割合
週1回(4回/月)程度 42 35.6%
週2回(8回/月)程度 29 24.6%
週3回(12回/月)程度 3 2.5%
多い 18 15.3%
基準なし 25 21.2%

その他の回答
脳底型片頭痛の患者
慢性連日性頭痛の患者
頭痛発作時間の長い患者  など

【4】片頭痛予防療法に対して使用する薬剤について頻度の高いものを第1選択薬とするもの、第2選択薬とするものをそれぞれ、頻度の多い順に1,2,3と順位付けしてください。

《第1選択薬》
第1選択薬(1位)の割合

第1選択薬上位3種での順位組み合わせ

1位 2位 3位 件数 割合
ロメリジン 54 22.3%
アミトリプチリン バルプロ酸 35 14.5%
バルプロ酸 アミトリプチリン 19 7.9%
アミトリプチリン ロメリジン バルプロ酸 6 2.5%
5 2.1%
バルプロ酸 4 1.7%
ロメリジン 2 0.8%

第1選択薬の順位組み合わせ上位10位

1位 2位 3位 件数 割合
ロメリジン 54 22.3%
ロメリジン アミトリプチリン バルプロ酸 35 14.5%
ロメリジン バルプロ酸 アミトリプチリン 19 7.9%
ロメリジン バルプロ酸 18 7.4%
ロメリジン アミトリプチリン プロプラノロール 10 4.1%
ロメリジン アミトリプチリン 6 2.5%
ロメリジン バルプロ酸 トピラマート 6 2.5%
アミトリプチリン ロメリジン バルプロ酸 6 2.5%
ロメリジン バルプロ酸 プロプラノロール 5 2.1%
アミトリプチリン 5 2.1%

《第2選択薬》
第2選択薬(1位)の割合

第2選択薬上位3種での順位組み合わせ

1位 2位 3位 件数 割合
ロメリジン バルプロ酸 9 3.7%
アミトリプチリン バルプロ酸 5 2.1%
5 2.1%
アミトリプチリン ロメリジン バルプロ酸 17 7.0%
バルプロ酸 9 3.7%
バルプロ酸 ロメリジン 6 2.5%
バルプロ酸 19 7.9%
ロメリジン アミトリプチリン 8 3.3%
ロメリジン 7 2.9%

第2選択薬の順位組み合わせ上位10位

1位 2位 3位 件数 割合
バルプロ酸 19 7.9%
アミトリプチリン ロメリジン バルプロ酸 17 7.0%
アミトリプチリン バルプロ酸 9 3.7%
ロメリジン バルプロ酸 9 3.7%
バルプロ酸 ロメリジン アミトリプチリン 8 3.3%
バルプロ酸 ロメリジン 7 2.9%
アミトリプチリン バルプロ酸 ロメリジン 6 2.5%
バルプロ酸 アミトリプチリン トピラマート 5 2.1%
ロメリジン アミトリプチリン バルプロ酸 5 2.1%
ロメリジン 5 2.1%
プロプラノロール 5 2.1%

第1選択薬、第2選択薬の1位組み合わせ上位

第1選択薬(1位) 第2選択薬(1位) 件数 割合
ロメリジン バルプロ酸 66 27.3%
ロメリジン アミトリプチリン 58 24.0%
ロメリジン 23 9.5%
ロメリジン ロメリジン 13 5.4%
ロメリジン プロプラノロール 11 4.5%
アミトリプチリン ロメリジン 10 4.1%
バルプロ酸 ロメリジン 6 2.5%
アミトリプチリン バルプロ酸 4 1.7%
ロメリジン トピラマート 3 1.2%
アミトリプチリン アミトリプチリン 2 0.8%
アミトリプチリン 2 0.8%
プロプラノロール ロメリジン 2 0.8%
ロメリジン ARB 2 0.8%
ロメリジン β遮断薬 2 0.8%

【5】片頭痛予防療法にバルプロ酸を処方する場合の用量をご記入ください。

《予防療法未実施例》
初期用量

1日用量(単位:mg) 件数 割合
200-400 64 32.5%
400 35 17.8%
400-600 23 11.7%
100-200 22 11.2%
200 13 6.6%
400-800 12 6.1%

維持用量の上位

1日用量(単位:mg) 件数 割合
400-600 53 27.0%
200-400 31 15.8%
400-800 26 13.3%
400 18 9.2%
600 8 4.1%
600-800 8 4.1%
100-200 6 3.1%
400-1200 6 3.1%
100-400 5 2.6%
200-600 5 2.6%
300-600 5 2.6%

《他剤無効例》
初期用量

1日用量(単位:mg) 件数 割合
200-400 52 29.2%
400-600 33 18.5%
400 27 15.2%
400-800 13 7.3%
100-200 9 5.1%
200 9 5.1%
600 7 3.9%
600-800 5 2.8%

維持用量の上位

1日用量(単位:mg) 件数 割合
400-600 43 24.2%
400-800 31 17.4%
200-400 21 11.8%
400 15 8.4%
200-600 8 4.5%
400-1200 8 4.5%
600 8 4.5%
600-1200 7 3.9%
600-800 6 3.4%
800-1200 5 2.8%

【6】片頭痛治療で、予防療法の実施割合をご記入ください。

《急性期のみ/予防療法実施の割合》

  10%
未満
10~
20%
20~
30%
30~
40%
40~
50%
50~
60%
60~
70%
70~
80%
80~
90%
90%
以上
急性期
のみ
16 8 26 14 23 30 25 36 27 31
6.8% 3.4% 11.0% 5.9% 9.7% 12.7% 10.6% 15.3% 11.4% 13.1%
予防
療法
12 25 34 38 25 31 20 11 28 15
5.0% 10.5% 14.2% 15.9% 10.5% 13.0% 8.4% 4.6% 11.7% 6.3%

(上段:件数、下段:割合)

《予防療法内訳(上位4薬剤》

  10%
未満
10~
20%
20~
30%
30~
40%
40~
50%
50~
60%
60~
70%
70~
80%
80~
90%
90%
以上
ロメリジン 8 9 13 14 13 26 21 18 37 64
3.3% 3.7% 5.4% 5.8% 5.4% 10.7% 8.7% 7.4% 15.3% 26.4%
バルプロ酸 41 43 35 28 18 7 10 3 5 6
16.9% 17.8% 14.5% 11.6% 7.4% 2.9% 4.1% 1.2% 2.1% 2.5%
アミトリプチリン 7 24 31 27 17 13 8 7 5 1
2.9% 9.9% 12.8% 11.2% 7.0% 5.4% 3.3% 2.9% 2.1% 0.4%
プロプラノロール 19 21 19 2 5 0 2 2 0 1
7.9% 8.7% 7.9% 0.8% 2.1% 0.0% 0.8% 0.8% 0.0% 0.4%

(上段:件数、下段:割合)

【7】バルプロ酸を処方する患者、処方しない患者について基準がありましたらご記入ください。

《処方する患者》
回答件数の多いもの

内容 件数 割合
他の予防薬で効果がない 71 29.3%
脳波異常 23 9.5%
薬物乱用頭痛(またはその傾向) 16 6.6%
てんかん既往・合併 13 5.4%
前兆がある 12 5.0%
過敏症状 11 4.5%
年齢(小児~若年) 10 4.1%
発作頻度が多い 9 3.7%
男性 8 3.3%
妊娠希望・可能性がない 6 2.5%

その他の回答
抗てんかん薬、てんかん病名に抵抗がない
急性期治療薬の効果がない
急性期治療薬の使用頻度が多い など

《処方しない患者》
回答件数の多いもの

内容 件数 割合
妊娠・妊娠を希望している、妊娠可能年齢 75 31.0%
肝機能障害がある 27 11.2%
眠気、体重増加などの副作用を気にする 19 7.9%
抗てんかん薬・てんかん病名に抵抗あり 13 5.4%
他の予防薬が有効 13 5.4%
運転、危険業務従事者 10 4.1%

その他の回答
過敏症の既往・合併がある
高アンモニア血症
など

【8】バルプロ酸による有効例の割合はどの程度という印象をお持ちですか。

【9】バルプロ酸で特に発現の多い副作用がありましたらご記入ください。また、その副作用が発現する用量についてもご記入ください。

副作用

発現の多い副作用 件数 割合
眠気 88 36.4%
肝機能障害 41 16.9%
めまい 29 12.0%
体重増加 17 7.0%
アンモニア増加 12 5.0%
倦怠感 10 4.1%
振戦 7 2.9%
脱毛 7 2.9%
食欲亢進 6 2.5%
悪心 4 1.7%
発疹 4 1.7%

副作用別発現用量

発現の多い副作用 用量 件数 割合
眠気 400 30 12.4%
600 15 6.2%
800 9 3.7%
200 8 3.3%
肝機能障害 800 8 3.3%
400 7 2.9%
600 5 2.1%
めまい 400 12 5.0%
600 6 2.5%
体重増加 400 4 1.7%
600 4 1.7%

【10】バルプロ酸で特に発現の多い副作用がありましたらご記入ください。また、その副作用が発現する用量についてもご記入ください。

◎安全性への配慮

内容 件数 割合
血中濃度測定 57 23.6%
肝機能検査 27 11.2%
アンモニア測定 26 10.7%
血液検査 23 9.5%
妊娠の可能性を確認する 10 4.1%

【その他の回答】
用量を制限する
副作用発現時に速やかに中止する。
患者への説明を十分に行う。
など

◎重篤な副作用

内容 件数
肝機能障害 4
血小板減少 3
脱毛 2
顆粒球減少 1
発疹 1
体重増加(30kg以上) 1
幻覚 1