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竹島多賀夫代表理事からのメッセージ

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竹島多賀夫代表理事

頭痛学会のWebページにおこしいただきありがとうございます。代表理事の竹島多賀夫です。頭痛はありふれた症状のひとつですが、片頭痛はじめ、慢性的に頭痛発作と不快な症状を繰り返す一次性頭痛はその罹患者が多く、また疾病負担(burden)が大きいことからWHOでも対策すべき脳神経疾患として注目されています。

片頭痛の治療薬は1990年代に特異的急性期治療薬トリプタンが登場し大きく進歩しました。2020年代には、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連抗体薬が片頭痛発作発症抑制薬(予防薬)として上市され、片頭痛治療が劇的に変化しています。頭痛に悩み苦しむ患者さんに最適な頭痛診断と治療を提供することにより、多くの患者さんの笑顔と感謝の言葉を受け取ることができます。また、頭痛研究はNeuroscienceの重要な分野のひとつとして展開されており、多くの成果がえられています。

頭痛診療には多くの診療科の医師が関わり、また看護師や薬剤師、臨床心理師、理学療法士も大きな役割をはたしています。多くの医師がそれぞれのバックグランドの診療科の知識やスキルを最大限活用し頭痛診療に参画、貢献いただくことが重要です。昨今、多様性(diversity)の重要性が強調されていますが、女性にご活躍いただくことばかりでなく、頭痛医療においては、診療科やキャリアパスの多様性、そして頭痛医療の均てん化のためにも地域やグループの多様性も拡大していく必要があると考えています。

日本頭痛学会では頭痛専門医制度を整備しています。多くの先生方が、頭痛学会のメンバーとしてご活躍いただき、頭痛専門医を取得いただくことを期待しています。全国各地の地域頭痛教育センター、頭痛学会教育施設(準教育施設、教育関連施設)で頭痛専門医を目指すための研修が可能で、また、多くの施設で短期間の研修・見学にも対応しています。さらには、頭痛医学を学んでいただくための研修会Headache Master School Japan(HMSJ)を年2回開催しており、教育施設での研修に代替して専門医受験資格をお認めしています。先生が頭痛専門医を取得され、我々の仲間となってご活躍いただくことを待ち望んでいます。どうぞよろしくお願い致します。

2024年4月吉日