日本頭痛学会ニュースレター9号 2012年5月
- 頭痛マスタースクールに関しまして坂井文彦理事長よりご寄稿
- 片頭痛の保険加入拒否問題についての見解
- 日本頭痛協会発足についてのお知らせ
- ATLAS of Headache disorders and resources in the world 2011 について
- 最近の頭痛研究トピックス(広報委員会より、HPリンク)
- 第40回日本頭痛学会の概要(演題募集6月12日~8月8日まで)
- 第5回頭痛専門医認定試験実施のお知らせ
- 頭痛学会ホームページにおいてオンライン入会、会員登録修正、頭痛ダイアリーのダウンロードのご案内
【1】頭痛マスタースクールに関しまして坂井文彦理事長よりご寄稿
平成23年4月
日本頭痛学会 代表理事 坂井 文彦
「Headache Master School 2013 に期待する。」
国際頭痛学会と日本頭痛学会との共催事業であるHeadache Master Schoolが2013年3月23日(土)~24日(日)に東京ステーションコンファレンスにて開催されます。Headache Master Schoolは頭痛の医学と医療のグローバルな普及、発展をめざしており、国際頭痛学会の教育総会(包括的ティーチングコース)ともいえる画期的な企画です。頭痛教育のアドバンスト・コースとも位置づけられます。
今回のHeadache Master Schoolの受講者は日本の若手医師(一部、アジア諸国より参加)約150人とし、教授陣は世界のトップ15の頭痛学の権威に依頼しました。レクチャー(ディベート・ワークショップを含む)及び重点的グループ学習(Case based方式)を丸2日間行い、その後6ヶ月間のインターネット・ラーニングを行ったあと、試験をし、認定証が授与されます。日本の頭痛医学・医療が発展し、ジャンプするため、極めて重要な機会と考えられます。
日本頭痛学会では、レクチャー及びグループ学習の内容をホームページに詳細に公開します。レクチャーの内容は教授陣より事前に送っていただき、内容を実行委員の方々に翻訳をお願いします。英語版に加え、日本語版もホームページに公開することにより、英語を苦手と感じている方も、予備学習ができます。Master Schoolの参加者は、すでにほとんど知っていることを学ぶことになり、英語のハンディーを感じずに内容を理解することができます。予備的な知識を持つことにより、始めて、著明な世界のリーダーの考え方の核心、本音を学ぶことが出来るはずです。
日本からの参加者は約100人の枠を予定しています。Master Schoolの参加者により日本の頭痛医療が飛躍的に進歩することを期待します。(受講申し込み等の詳細については、後日、会員宛にお送りし、ホームページに掲載する予定です。)
【2】片頭痛の保険加入拒否問題についての見解
(診療向上委員会 山根清美委員長より皆様へ)
日本の頭痛医療に並々ならぬご尽力をいただきまことにありがとうございます。 かねてより片頭痛患者の生命保険加入問題について活動してまいりました。各疾病の保険加入について意見を具申しています日本保険医学会に当問題について申し入れを行いました。同医学会からは「片頭痛の罹患を原因として生命保険への加入を拒否される事実はないと認識している。」というお返事をいただきました。今後の対策としては、片頭痛患者が保険加入に難色を示された場合は、下記の1-4の対応をとる方針でしばらく成り行きを見守りたいと思います。また個々の拒否事例が持ち上がった場合には、生命保険加入問題事例を所定の様式
(http://www.jhsnet.net/information/20120428_info.htmよりダウンロード)にて、日本頭痛学会事務局(info@jhsnet.net)まで添付メールでご報告下さい。ご多忙の中、恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いたします。
- 日本頭痛学会としては片頭痛を保険加入に支障がない疾患と考えている。
- 保険団体も片頭痛は加入に問題があるという見解は示されていない。
- 以上2点を患者から保険担当者に伝えていただく。
- 加入に問題視される場合は「片頭痛で通院加療中であっても健康上の問題はない」旨の診断書を発行する。
詳細につきましては、(http://www.jhsnet.net/information/20120428_info.htm)をご参照ください。
【3】日本頭痛協会発足についてのお知らせ
(社団法人日本頭痛協会代表理事 間中信也先生より皆様へ)
かねてご案内の「一般社団法人日本頭痛協会(以後「頭痛協会」と称する)」の設立登記を2012年4月20日付けで申請したことをもって法人格が取得されました。あらためて日本頭痛学会会員に頭痛協会のお知らせをさせていただきます。
「たかが頭痛」と軽視されがちな「頭痛持ち」のQOL向上のための診療態勢の整備し、「頭痛に悩まない、苦しまない」時代を創成するために、頭痛協会に対するご理解とご支援のほどをお願いする次第です。詳細につきましては、頭痛学会ホームページをご参照ください。
( http://www.jhsnet.net/information/20120428_info_002.htm )
【4】ATLAS of Headache disorders and resources in the world 2011 について
このATLAS of Headache disordersは、WHOで集められた情報がグローバルかつ国内レベルでの頭痛疾患に対する意識を高め、頭痛患者の診療とサービスの向上につなげていくことを最終目標にしています。頭痛診療に携わるあらゆる人の他に、健康関連プランナー、政策作成者らの助けになる情報が、たくさんあります。ぜひ頭痛学会のホームページにアクセスしてください。
( http://www.jhsnet.net/topics.html )
【5】最近の頭痛研究トピックス(広報委員会より)
群発頭痛における三叉神経侵害受容の片側性中枢性促通
Holle D, et al. Lateralized central facilitation of trigeminal nociception in cluster headache.
Neurology 2012;78:985-992.
掲載日:2012/04/16
新規変異を有する家族性片麻痺性片頭痛の遷延性前兆に認められた神経血管性変化
Iizuka T, et al. Neurovascular changes in prolonged migraine aura in FHM with a novel ATP1A2 gene mutation.
J Neurol Neurosurg Psychiatry 2012;83:205-212.
掲載日:2012/02/17
片頭痛患者に認められた中脳水道周囲灰白質と脳内他部位との機能的結合性の変化
Mainero C, et al. Altered functional magnetic resonance imaging resting-state connectivity in periaqueductal gray network in migraine. Ann Neurol 2011;70:838-845.
掲載日:2012/02/17
※詳細はホームページをご参照ください。( http://www.jhsnet.net/zutu_topics.html )
【6】第40回日本頭痛学会の概要(演題募集6月12日~8月8日まで)
- テーマ 「頭痛医療の温故創新」
- 会期 2012年11月16日・17日
- 会場 東京ドームホテル
- 会長 喜多村 孝幸(日本医科大学 脳神経外科)
演題募集が6月12日より始まります。多数の演題登録をお待ちしております。
【7】第5回頭痛専門医認定試験実施のお知らせ
下記の要領で第5回頭痛専門医試験を行います。
受験を希望される方は受験資格を頭痛学会ホームページ等でご確認のうえ所定の手続きをよろしくお願い致します。
- 試験実施日 2012年8月4日(土) 10:00~15:30(終了予定)
- 試験会場 都市センターホテル 東京都千代田区平河町2-4-1(地下鉄永田町駅徒歩5分)
【8】頭痛学会ホームページにおいてオンライン入会、会員登録修正、
頭痛ダイアリーのダウンロードのご案内
頭痛学会ホームページにおいてオンライン入会、会員登録修正、頭痛ダイアリーのダウンロードが簡単にできるようになりました。これまで、メール、FAX等で所属、住所等の変更のご連絡をお願いしておりましたが、オンラインで変更が可能になりましたのでご活用ください。郵便物の送付先の変更の反映には数週間程度の猶予をお願いします。年会費の納付状況、専門医単位の確認機能も準備しております。順次、運用を開始しますので、どうぞよろしくお願い致します。詳細は以下をご参照ください。( http://www.jhsnet.net/nyukai.html )
編集後記
【日本頭痛学会 企画・広報委員会】
ニュースレターに関するご意見、お問い合わせは、<info@jhsnet.net>までお願い致します。