日本頭痛学会ニュースレター37号

  1. 日本頭痛学会代表理事 平田幸一先生よりご寄稿 「新年のご挨拶」
  2. 頭痛の遠隔診療ガイドライン(暫定版)について
  3. インドメタシン内服剤の製造中止およびその代替品について
  4. 第12回(2019年度)専門医試験講評
  5. 市民・患者さんへ「頭痛について知る」の内容が更新されました
  6. 頭痛研究トピックス~広報委員より最新の論文をご紹介

【1】日本頭痛学会代表理事 平田幸一先生よりご寄稿

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新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます.皆様におかれましては2020年(令和2年)の新年を健やかに迎えられたことと思います. 昨年より元号が令和となりましたが,2019年は今までは考えられないような多くの災害がありました.とくに台風第19号は,関東地方や甲信地方,東北地方などで記録的な大雨となり,河川の氾濫など甚大な被害をもたらしました.小職の患者さんで被害に遭われた方々の多くがその気圧の変化をはじめとする天候の激変,さらには床上浸水の後の生活環境の悪化,とくに悪臭のために片頭痛が重篤化してしまったという見過ごすことができない悲痛な訴えをされていました.この場をお借りし改めて災害に遭遇された皆様に心より お見舞い申し上げます.
しかし,一方で昨年は国際頭痛学会が開催されたアイルランドのチームが強豪であるラグビーで,わが 日本のチームが胸のすくような活躍をみせてくれました.これは今年開催されるオリンピック・パラリンピック でのわが国の選手たちの活躍の先駆けとなるような期待を与えてくれました.
日本頭痛学会について振り返りますと会員数2400人以上の大規模な学会となったことはご存知のとおりで,専門医・指導医の育成も順調に進んでおります.また,長らくお待たせしておりました頭痛センターの 正式認定も本年度中に行う予定です.昨年は日本脳科学関連学会連合を果たし,抗CGRP抗体薬などの共同開発,さらには竹島多賀夫副代表理事を中心に頭痛遠隔診療の保険収載なども進めております.
第47回日本頭痛学会総会は丸木雄一会長を中心とし埼玉で行われ大成功の裡に幕を閉じております.さらに,頭痛専門医や専門医を目指す医師を対象に年2回実施されているHeadache Master School Japan(HMSJ)は寺山靖夫理事のご采配のもと,7月に仙台の松森保彦先生が,11月には松山で藤田 仁志先生がその地でそれぞれにはじめての開催という,まさに頭痛教育の均てん化という素晴らしい実績を残されました.患者さん中心の頭痛医療を推進するための活動(JPAC)についても坂井文彦元代表理事・顧問のご指導のもと着々と事業が進んでおります.
第47回日本頭痛学会総会は,松村明会長のもと11月7日,8日,茨城県つくば市で開催される予定です.
このように皆様のお蔭で学会事業の内容も充実してきました.われわれは安全で最新の頭痛医療の提供という理念を守りながら,学会員全員の一致団結のもと今後も患者さんへの最良の医療でおもてなしを続けてまいりますので本年もどうぞよろしくお願い申し上げます.

【2】 頭痛の遠隔診療ガイドライン(暫定版)について

日本頭痛学会診療向上委員会,ガイドライン作成委員会により、頭痛診療の遠隔診療についてのガイドラインが作成されホームページに公開されました.詳細は日本頭痛学会ホームページをご参照ください.
http://www.jhsnet.net/guideline_2019.html

【3】 インドメタシン内服剤の製造中止およびその代替品について

国内唯一のインドメタシン内服剤だった徐放性インドメタシンカプセル「インテバンSP」( 25mg、37.5mg)が製造中止となりました.頭痛診療における代替品としての日本頭痛学会の見解(資料1)およびインドメタシンのプロドラッグ製剤に関する資料(資料2)がホームページに公開されました(本来は2018年12月に公開される予定でした).ぜひご覧いただき日々の診療にお役立てください.
資料1)http://www.jhsnet.net/dl/20191227_02.pdf
資料2)http://www.jhsnet.net/dl/20191227_01.pdf

【4】 第12回(2019年度)専門医試験講評

第12回日本頭痛学会専門医試験が2019年8月3日に都市センターホテルで実施されました.受験者は35名で,合格者30名,合格率85.7%でした.今後受験を予定されている先生は,内容をご確認いただき試験対策にお役立てください.なお,2020年度の試験はオリンピック期間中となるため大阪で実施する予定です.
http://www.jhsnet.net/20191104_info.html

【5】「市民・患者さんへ」内の「頭痛について知る」の内容が更新されました

ご興味がある先生はぜひご一読いただき,疾患指導などにお役立てください.
http://www.jhsnet.net/ippan_zutu_know.html

【6】 頭痛研究トピックス~広報委員より最新の論文をご紹介

・片頭痛急性期におけるubrogepantの頭痛と最も煩わしい随伴症状に対する効果
Lipton RB, et al. Effect of ubrogepant vs placebo on pain and the most bothersome associated symptom in the acute treatment of migraine: The ACHIEVE II randomized clinical trial. JAMA 2019; 322:1887-1898.
掲載日:2019/12/6

・治療抵抗性片頭痛症例に対するFremanezumabの片頭痛予防効果
Ferrari M, et al. Fremanezumab versus placebo for migraine prevention in patients with documented failure to up to four migraine preventive medication classes (FOCUS): a randomized, double-blind, placebo-controlled, phase 3b trial. Lancet 2019; 394:1030-1040.
掲載日:2019/11/1

【日本頭痛学会 広報委員会】

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